営業強化に関するケースとして、次の5つのケースを代表例として取り上げました。
売上不振の原因は、実は単純なものではなく、幾つかの原因が重なった“複合汚染”のようなものですから、貴社のケースが次に挙げる5つのケースにどんぴしゃりの場合もあれば、いくつかのケースにまたがる場合もあります。
“川勝メソッド”の「組織営業力強化」では、どのような解決のアプローチを行うかのポイントを、5つのケースについて述べます。貴社の問題に、このメソッドによるコンサルティングが役に立つかどうか、の目安になさって下さい。
尚、“川勝メソッド”は、「組織営業力強化」と「個人営業力強化」を併せ持った強力なメソッドですが、「個人営業力強化」は、〇〇ページで概略述べましたので、ここでは割愛します。
①このような長期的・慢性的売上不振は、自社の「顧客構造」と「市場構造」に根本原因があるから起るのです。
「個人戦力強化」のような対症的療法では解決は難しいのです。
②“川勝メソッド”の次の2つのツールを使って分析し、解決策の糸口を見つけます。
その際の視点は、「既存顧客の深堀り」と「新規顧客の開拓」です。
★自社の「顧客構造」の分析:顧客別売上高パレート図」を使う。
★自社の「市場構造」の分析:「市場見える化マップ」を使う。
③いくら自社の「顧客構造」、「市場構造」が改善されても、組織の実行力がついていなければ宝の持ち腐れです。
上記で戦略構築を行った後、最重要フェーズである組織実行力を上げる対策を、強力なツールを使って行います。
①戦略の構築
自社の「顧客構造」・「市場構造」という基本骨格部分の改善を行い、売上増を呼び込めるようにします。
★自社の「顧客構造」の是正
1)顧客数そのものの増加対策
2)上位顧客比率の増大対策
3)顧客内シェアの拡大対策
★自社の「市場構造」の是正
1)市場カバー状況の改善
2)新規攻略企業の選定と攻略方法の策定
②組織実行力の強化
いくら戦略が良くても、個々の営業マンの実行力が強化されなければ、戦略はただの紙切れになってしまいます。
“川勝メソッド”では、この部分の強化に、非常に強力なツールである「引合案件ABCフォロー表」を使って、
営業マン個人ごとの実行力を引上げます。
①このケースは、2年という短い期間内に、3割の新規売上を確保せねば“sudden death”を迎えるという、
厳しい状況下での企業蘇生対策です。
昨今では、この例に限らず、シャープの解体劇に見られるように、“大企業突然死“が日常茶飯事で起る時代です。
中小企業は、常日頃から、売上強化・コスト削減体質をつけておかねばならない時代となりました。
②本来なら、ケース1のように、自社の顧客構造」・「市場構造」の土台改革から着手して、新規開拓作業を行うべきですが、
時間的余裕がありませんので、即効性が担保される「既存顧客深堀り戦術」で急場をしのぎ、しかる後にケース1の根本
対策(新規開拓など)につなげることが必要です
①「既存顧客深堀り戦術」の策定
世界のどこにもない見える化アイデアである「2面パレート図」によって、簡単に既存顧客の中から深堀りすべき
顧客重点化が可能です。
重点化の原則は、現状の売上が高くて、顧客内シェアの低い顧客を最優先で選定します。
・売上拡大というと、世の中の多くの企業が既存顧客をさておいて、新規顧客開拓に走りがちですが、
これは大いなる間違いです。
・既に口座もあり、人脈が確立されている既存顧客の深堀りこそ、短期の売上拡大を保証してくれる効率的な作戦です。
②「顧客構造」・「市場構造」の是正
上記の応急手術的対策に目処を立て乍ら、ケース1の土台改造作業を行って恒久対策としての自社の売上構造の
磐石化を行います。
③コスト構造ダントツ化の構築(日本電産のコストダントツ化手法の援用)
新規顧客開拓は、攻略想定顧客の中に既に入り込んでいる企業を、自社に代替させる作戦なので、他社を上回る強力な
コスト競争力を自社に付与せねば、戦いに勝てません。
①このケースは、自社が長年拠って立ってきた「市場構造」を自ら変えて、更なる成長を遂げたいとする
営業(事業)改革戦略です。
私が籍を置いていた日本電産も、コアのモーター 技術を使って、コンピューター分野から成長分野の自動車用モーター分野に
軸足をシフトし、高い成長を維持しています。
国内市場全体は縮小傾向ですが、それでも少なからず成長市場は存在します。海外戦略やM&A戦略を選択しないならば、
中小企業こそ、持ち前のコア技術を使って自社の「市場構造」変革に挑戦すべきでしょう。
②このケースでは、自社の「市場構造」を大きく変革するフルモデル・チェンジのケースと、主軸の市場は変えずに、派生的な
外縁分野を市場に加えるマイナー・チェンジのケースがあります。
いずれのケースでも、いかに的確な成長市場を予測し、ピンポイントの企業リストを作れるかが鍵となります。
次の手順を踏んで戦略を構築していきます。
(1)今後の成長市場の抽出と自社技術とのマッピング(ポートフォリオ図法により)
↓
(2)自社の技術体系に合った成長市場の抽出(製品・市場戦略)
↓
(3)新規攻略すべき企業リストの作成
↓
(4)具体的訪問計画への落とし込み
↓
(5)実行段階での引合案件のABC進捗管理
①このケースに見られるように、シェアを失ったのは、その顧客だけの個別問題と判断して、営業マンの個人戦力強化などの
対症療法的、“モグラ叩き”的な対応に終始するケースが多くの企業に見られます。
そうではなくて、自社の「顧客構造」の問題として捉えると、それとは違った解決策を引き出すことができます。
②“川勝メソッド”の次の2つのツールを使って「顧客構造」上の問題点をあぶり出し、本質的な解決策の糸口を見つけます。
・自社の「顧客構造」の分析「顧客別売上高パレート図」及び「2面パレート図」
①自社の「顧客構造」上の問題点分析
自社の顧客ごとに売上高と顧客内シェアを会社全体のみならず、各営業マンごとに分析し、問題点を抽出します。
(問題点の見える化に威力を発揮する「2面パレート図」を使う)
②各顧客ごとの自社と競合他社の「強み・弱み」分析
③総合的な顧客別営業攻略方針の決定
①と②によって、顧客ごとの問題点を抽出し、守るべき顧客、拡販すべき顧客に分けた戦略・戦術を策定します。
①チラシ印刷業に限らず、段ボール製造業、中小規模製パン業などは、遠距離の場合の運賃増加などのコスト要因が
ネックとなって、広域営業は成立し難い業種特性を持っています。このような地域密着型業種は、現在の状況を改善しない
限り、地域経済の弱体化と運命を共にすることになります。
②勝ち残るための企業戦略としては、同一地域内の競合他社よりも有利に戦える競争条件を作ればよいわけですから、
営業戦略に注力するだけでなく、コスト戦略までカバーした、より強力な競争戦略を立てる方がよいこは自明であり、
それを行えるコンサルタントを起用すべきでしょう。
競合他社は、なかなかこのようなハイブリッド戦略を取り組めない隙を突き、スピードを上げて混戦を抜け出すのです。
日本電産が得意とする企業再生は、この2つを同時にハイスピードで行うことにあります。
①地域内多数乱戦状況を抜け出し、地域一番企業になるためのキー要因の抽出
*例えば、段ボール製造業では、「1ケから受注、朝注文を受けて夕方即納」など“スピード”に着目した差別化戦略
↓
②自社と競合企業の強み・弱みの抽出(営業/商品/コスト/スピード)
*①に加えて更に競争条件を有利にする為に伸ばせる自社の強み、乗ずる競合の弱みを把握
↓
③営業戦略の構築(ケース1〜4までの戦略の援用または強化、改善)
↓
④コスト戦略の構築(日本電産のダントツコスト削減手法を援用または強化、改善)
*半ば諦めていたコスト削減に光を当て、競合との差を決定づける。
コストダウンに関するケースとして、次の5つのケースを代表例として取り上げました。
売上不振の原因は、実は単純なものではなく、幾つかの原因が重なった“複合汚染”のようなものですから、貴社のケースが次に挙げる5つのケースにどんぴしゃりの場合もあれば、いくつかのケースにまたがる場合もあります。
“川勝メソッド”の「組織営業力強化」では、どのような解決のアプローチを行うかのポイントを、5つのケースについて述べます。貴社の問題に、このメソッドによるコンサルティングが役に立つかどうか、の目安になさって下さい。
尚、“川勝メソッド”は、「組織営業力強化」と「個人営業力強化」を併せ持った強力なメソッドですが、「個人営業力強化」は、〇〇ページで概略述べましたので、ここでは割愛します。
短期間に大きなコストダウン効果を狙うには、工場経営学的視点、マクロ的視点が重要です。
この「総経路時間管理」という切り口は、私のコンサルティングでよく使う手法です。
生産の初工程から最終工程まで、時間がどのように使われたかを計測します。これはある大手自動車系列の自動車部品メーカーでの事例。改善の進んでいる自動車業界でもこのような状況が見られます。
この会社では、総経路時間を計測する以前には、加工時間の生産性のみ問題にしていました。
しかしながら、総経路時間がわかった段階では、正味時間の削減よりもムダ時間削減の方がコストダウン効果が高いことがわかります。
したがって、工程連結、工程短縮、工程間同期化などの手法でムダ時間の削減が優先課題になります。
日本電産は、「スピード」を企業力強化の最も重要な指標にして成長している企業ですが、
そこで育てられた私は、「スピード」の別指標である「時間」という要素に着目して、コストダウン対策を提案します。
このグラフのように、生産を1時間ごとに「見える化」すると、生産が非常にバラついていることがわかります。
1時間ごとに生産を見る。これも「時間」に着目して、コストダウンを行うという視点から出た発想です。
今までの「1日に何個作る」経営から、「1時間に何個作る」経営へ転換することによって、大きなコストダウン効果を手中にすることができます。
左上の図は、過去のオリンピック開催国のオリンピック前後の経済成長率の推移です。
共通なのは、米国を除き、どの国でも、オリンピックまでは好景気が続いていましたが、オリンピック終了と同時に、景気が失速することです。当時高成長を誇っていた中国も例外ではありませんでした。
景気が悪化するとどうなるでしょうか?
客先からのコストダウン要求が一層厳しさを増します。
コストダウンのメニューも従来のような生産性改善一本やりは限界に来ます。大きな比重を占める材料費や経費にまで、範囲を広げた活動が必要です。
日本電産は、赤字の買収企業を1年で黒字化させるというコストダウンの得意技を持っています。
一般企業は、なかなか材料費、経費までは斬り込めませんが、日本電産では、材料費はMプロ、経費はKプロと呼ぶ、ユニークで効果の高い方法で、トータルのコストダウンを短期に実現させています。
私が好んで使うやり方(手法)に、私が「商店経営方式」と呼ぶ方法があります。
現場を小単位に細分化し、それぞれを商店に見立てます。
前工程から自行程への製品の流入は仕入れ、次行程への投入は売上とし、1日に掛った費用(労務費、仕損費など)
を差し引いて、1日の“儲け”(日計簿)を計算します。
計算システムは私の方で用意してあります。
このやり方をとると想像以上の効果が得れれることがわかります。
今まで、現場のフォアマン(ライン長)は、いくつ(何個)作ったかが管理項目でしたが、これがいくら(何円)作ったかに切り替わります。
現場が「コスト・センター」から「プロフィット・センター」に切り替わる瞬間です。
ライン長は、指示されてやるのではなく、「どうしたらもっと儲かるか」を自律的に考える現場管理者に変身します。
上の図は、日本電産の素ストダウン手法を、既知の出版物からまとめたものです。
では、なぜ日本電産がコストダウンを効果的に行えるのか?
その理由は、次の3つです。
①コストダウンの範囲を生産性を中心にした工場部門に止まらず、購買や間接部門全体に網をかけること。
②「意識改革運動」を全社で徹底して行うこと。
③組織運営のインフラ部分にあたる仕組みを導入しており、全社のコストダウンへの取り組みを加速させる装置となっていること。
図にある「事業所制」と「1週間ごと利益管理」がそれに当ります。
上の図は、日本電産のコストダウン手法にプラスして一般企業がより取り組み易いように、“川勝メソッド”を加えて一覧にしたものです。
私のコンサルティングでは、この一般化メニューを基に、その企業の実態に合わせてメニューのモディファイを行って、実効性、速効性をあげていきます。